低温焼結ナノ銀ペーストの開発
2022年04月13日
動機
- IoTの普及によるフレキシブルアプリケーションの拡大が期待される。
- フレキシブルアプリケーション向け材料には、低温プロセスが求められると考えられる。
- 配線材料には、薄膜での良好な電気特性、フレキシブル性が求められる。
課題
基材耐熱温度を考慮した低温処理で、低抵抗の配線形成が必要となる。
成果
- 120℃/30分の乾燥で焼結し、比抵抗値7.1×10-6Ω・cmを有するAgペーストの開発に成功。
- 配線形成は、スクリーン印刷に対応。
課題背景
開発の動機
- IoTの普及によるフレキシブルアプリケーションの拡大が期待される。
- フレキシブルアプリケーション向け材料には、低温プロセスが求められ、配線材料には、薄膜での良好な電気特性、フレキシブル性が求められる。
- また、自動車関連分野においては、運転自動化へ向けカメラ、センサーの性能向上、搭載数の増加に対し、融雪/防曇の対策要求が高まると予想される。これにより、ヒーターの需要の可能性があると考えられる。
開発の経緯
従来の配線/電極形成用Agペーストは、120℃/30分の乾燥が可能であるが、導通はAgフィラーの接点のみであった。
そのため比抵抗値は2.5×10-5Ω・cmにとどまった。
開発のコンセプト
- 120℃/30分でAgフィラーを焼結させることにより、低抵抗値を目指す。
- 均一な焼結状態により、薄膜でベンディング性を担保する。
- 樹脂成分の含有により、PC/PET/PIなどのフィルム基材に対する密着性を担保する。
新技術獲得
120℃/30分でのAgフィラーの焼結を実現。
成果
- 120℃/30分でAgフィラーの良好な焼結を実現。
- 比抵抗値は、7.1×10-6Ω・cmを達成。
- 膜厚6μm、幅250μmの微細な配線をスクリーン印刷で形成可能。
- PC/PET/PIなどのフィルム基材に対する密着性も良好で、ベンディング耐性を有する。
- 長期信頼性後も抵抗値の劣化なし。
スクリーン印刷で形成されたAg配線(乾燥条件:120℃/30分)
FIBによる断面観察(観察倍率:X10,000/X25,000)
期待される用途
- 低抵抗配線
- プリンタブルヒーター熱線
Ag電極によるプリンタブルヒーター発熱画像