シミュレーションによる樹脂設計手法の確立
~樹脂流動性について~
2020年03月23日
動機
- 樹脂材料は、様々な環境下(高温、高せん断など)で流体として扱われるが、その挙動予測は困難。
- その挙動を予測できるように、流体としてのメカニズムを解明することが必要。
- シミュレーションを用いた、挙動を予測する手法の開発に着手。
課題
樹脂のメカニズムをシミュレーションを用いて解明し、短期間で顧客要求を満たす最適な製品を開発すること。
成果
- 樹脂の流動性の挙動を解析できるシミュレーション手法を構築できた。
- 現在、樹脂設計者や、お客様からの要望に対して、どのような樹脂が最適かを解析し、需要に応えている。
課題背景
開発の動機
弊社における、熱硬化性樹脂・導電系樹脂は、様々な電子部品に流体の状態から使われ始めるが、その良否判定は実際に実験を繰り返し行い、結果として判断するしかなかった。
よって、人的および材料的な工数が多くかかるうえに、品質的に最適なものかどうかわからなかった。
そこで、流体の現象を解明し、かつ、顧客要求を満たす最適な製品を短期間で供給するために、シミュレーションを用いた製品設計手法の検討を始めた。
開発コンセプト(シミュレーション解析技術の紹介)
- 樹脂中に、添加剤が均一に混合分散されるための条件
- 当社開発製品が吐出されるときの最適な条件
- 当社開発製品が狭い隙間に、より早く、よりきれいに注入される条件
などが、当社の製品開発には重要ですが、この3点について、シミュレーション技術を用いて最適な条件を解析した例を示します。
成果
- 開発のコンセプトに留意して適切なシミュレーションソフトを選択し、ソフト開発元メーカーと樹脂設計技術者と一緒に、実挙動を基に、物性値と解析手法の適正化を行った。結果、樹脂の流動性の挙動を解析できるシミュレーション手法を構築できた。
- 現在、樹脂設計者や、お客様からの要望に対して、どのような樹脂が最適かを解析し、需要に応えている。
シミュレーション解析例
解析例1
均一となる混合分散条件をシミュレーション技術で解析した動画
解析例2
開発製品が吐出される最適条件をシミュレーション技術で解析した動画
解析例3
隙間に早く、きれいに注入される製品特性をシミュレーション技術で解析した動画
出展 | Prometech Simulation Conference 2017 |
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発表タイトル | Particleworksを用いた樹脂流動解析の検討 |